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長岡で発行している月刊フリーマガジン「マイスキップ」連載の同名コラムのブログ版です。主宰するアトリエの企画展情報をまじえながら…
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a2fc4b95.jpg今朝(3月31日付)の新潟日報・文化欄から。
今週土曜から始まる外山文彦展について寄稿がなされています。筆者は美術家の舟見倹二氏。


外山文彦CANVASシリーズ1990-2010
   
(4月2日から10日、柏崎市新橋3の游文舎ギャラリー)
8c4fec75.jpgいま外山作品に対峙した時、その絵画に見えるものは「どこまでも自立する抽象表現の追求を平面に試みている」と言ってもよいのではないだろうか。そこには確かな色面の、限られた構成のなかで生成された平面空間が存在する。
その作品はキャンバスの裏地を表にし、描かれるべき白いキャンバス面に抗して「裏返す」という逆な手法を選ぶ。単なる感覚的選択とは異なり、表裏のありようを日常への接点とした思考が作為として推察できよう。
麻面の素の色面をベースにするこの構成の原点は、作家がまだ大学在学中の二十数年前のことであるが、たしかな方向が現れたのは、現代の絵画が公募で大々的に競われた1994年の第1回「感動創造美術展」(主催: 福田組)での受賞作品にあろう。以降、外山の絵画の基調となり、現在に続いている。今展は、この20年の制作から作家が自選した作品で展示構成される。
作品は簡素で、アクリル絵具で部分的に着彩された明解な色面の構成がフラットな空間を創りながら、キャンバス地特有の肌合いと微かな色調の差が調和を引き出す。また、分割された枠面のつくる接合部の、境界を形成するラインも見逃せない。区分するように塗られた色面に生じるラインとは別に、細い谷間に影を落としての分割線となる。
垂直または水平、あるいは斜行するその境界に視線がむかい、行きかう静かな響きともとれる世界を感応する。それらはこの抽象の形態から感じとるイメージとなり、観るものとの間に言葉を創り出すに違いない。

(舟見倹二・美術家)


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長岡市在住,アトリエZen主宰。
アート作家。同アトリエをベースにアートイベントの企画・コーディネートにたずさわっているほか、長岡で発行している地域情報誌「マイスキップ」の編集にも関わっています。


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